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【鬼室神社09】鬼室集斯小伝_3

鬼室神社の改名由来をお聞きした滋賀県蒲生郡の日野観光協会から送っていただいた小冊子から

 新日野新聞社創刊四〇執念記念誌
 日韓友好親善のための
 鬼室集斯小伝  瀬川欣一著 


■石碑について

「人形塚が鬼室集斯の墓石になる」(P32)
「墓の発見をすぐ否定した神官坂本林平」(P34)
「人形塚をスケッチした画家司馬江漢」(P36)
で石碑の文字発見の経緯を詳細に書き、偽造説をとっています。

■小冊子の結論
肝心なのはその墓石の真偽ではない
 鬼室神社にある鬼室集斯の墓が、本物であろうと、偽物であろうと、二百年も続いてきた鬼室神社信仰と、その信仰を中軸とした国際交流を進める活動には、何の関係も、何の影響もありません。
 前記しましたように、いま鬼室神社という社名を掲げております以上は、そこに祀られている神霊は、鬼室集斯その人の神霊であることは申すに及ばず、蒲生郡に住んだ七百余人の霊も、摂津や神崎郡や東国で死んでいった亡命百済人全部の霊が、今は鬼室神社の神霊となっているのです。それが日本人的な信仰の心なのです。
<(P48)

「あとがき」
明治期に置ける日朝併合の植民地支配をわが国が強行して以来、戦後半世紀を経た今日に至ってもなお、韓国の人々の心には、うつうつとしたわだかまりの思いが氷解していないのが、民族としての当然の事実です。<(P50)

・・・。
なんでこんな結論になってしまうのでしょう。
この結論に導くためと思われる箇所を探してみました。

…百済人を受け入れる側の地元民にしてみれば、自分たちには直接に何の縁もゆかりもなく、言葉も通じず、生活習慣も全く違う見も知らぬ外国人を、唯々諾々と受け入れるはずがありません。
 そこでいくつかの要因が考えられます。
 この小冊子の最初の部分にも書きましたように、幾世代にもわたっての過去に半島から渡ってきた多くの人々が、蒲生郡の各地に住んでおりましたので、世代は隔たっていても、快く受け入れてあげよう、という思いがあったのだとも考えられます。…(中略)…
 ともあれ日野はもちろんのこと、蒲生郡や神崎郡に今住んでいる人々の血には、この時に住み着いた古代百済人の血が、確実に脈々と流れていることだけは間違いないでしょう。
<(P28〜29)

日野の皆さんは本当に祖先が百済人だと信じているのでしょうか。
だったらなぜ百済に関係のある言葉や風習が伝わっていないのでしょう。
百済は絶滅してしまったから故国にはなにも残っていないのだというのが理屈として通るのでしょうか。
百済の痕跡が何も残っていないのは百済に独自の文化や文明がなかったからだと思います。
これほど明快なことをなぜ認めようとしないのでしょう。


…実は古代の大学者鬼室集斯の墓だった、となったものですから、地元小野村の村役人たちはもちろん、日野町(江戸時代の)の知識人たちも、近郊の歴史愛好者たちも共々に驚き合い、喜び合いました。<(P32)

喜び合った記録があるのでしょうか。
記録があればその資料を載せているでしょうから、喜び合ったというのは憶測でしょう。
史実は「墓の発見をすぐ否定した神官坂本林平」がいたことです。

坂本林平は伊能忠敬とも親交のあった文化人で『楓亭雑話』に
人を惑わすその罪は、決して軽くない。私は証拠がない以上、絶対に同調しない<(P35)
と書いているそうです。

この小冊子の結論に都合の悪いことも書く姿勢は好きです。
司馬江漢のスケッチの経緯や地域の宮座の名前の件も同様です。


以下の明治期の記述は宮崎県の百済伝説とも関係があるので引用します。

明治四十年(一九〇六)。日本国は強引に朝鮮の国を日本の領土へ併合してしまいました。その時に、この鬼室集斯の墓の存在が意識的に大きくクローズアップされ、古代における日朝の関係から大いにPRされました。
 だが墓石は風雨にさらされたままですし、神社も昔のままの姿です。日朝併合を記念して多くの参拝者も見えますので、このままではいけないと、翌明治四十一年に、小野の人々が中心となって神社の整備が進められ、野ざらしのままだった墓石を石祠の中へ納め…(中略)…現在に続く境内の整備がされました。
<(P39)


最初に宮崎県の百済伝説を調べていて鬼室神社に辿り着いたと書きました。

共に江戸後期に歴史の捏造が図られ、明治の日朝併合に利用され、現在は百済が日本文化の源流である根拠として使われています。

史実ではないことを自覚しているのに観光協会のサイト神社のリーフレットでは伏せているのです。




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