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「バリ島」ミゲル・コバルビアス著

インドネシアの旅をまとめるにあたってパソコン内を検索していたら出てきた読後メモ
インドネシアの旅
【インドネシア 18】バリ島ウブド 博物館


バリ島 ミゲル・コバルビアス著 平凡社 1991(@amazon


■村は個人が細胞であり、制度が器官であるような有機的組織体として統合されている。
 村の心臓は中央広場で、決まって村の「中央」、つまり二つの大通りの交差点に置かれている。

市場も両替屋も女性が仕切る。女性は算術にも優れている。

■ケペンという中国の硬貨が流通している。オランダの通貨は取り入れなかった。

■階層社会(カースト)であり、男は自分と同じか自分より下の女と結婚できる。
 この掟を破ると二人とも死刑だが、最近は追放など別の方法に変わっている。
 いちばん低い4番目の階層・スードラが人口の93%。

■知らない同士は「ジェロ」と呼び合い、上下が分かれば敬語を使う。
1.日常語  インドネシア系の島原住民の言葉(マレー諸語)。
2.高い言葉 ジャワ人がバリの原住民に強要。下の人が上に対して使う。
3.中間語
4.カウィ語 祭祀の言葉。(古代ジャワ語)
5.マレー語 オランダ領東インドの公式言語。
       学校で教えられ、若者に広がる。簡単でカーストがない。

 以上知識人は会話に5つの言語を必要とする。バリでは珍しくない。


バリ・アガ 純粋のインドネシア系人種。
 歯を平らに削り黒く染める。共同体で祖霊神を崇める。
 村を塀で囲み表門はとても狭い。
 →p133 年頃に施されるお歯黒はマレー・インドネシアの習慣で、
     犬のように長くて白い歯を持たぬようにというアニミズム的な儀礼である。


■尊敬される職業 鍛冶屋
 不浄な職業   藍染め・陶器づくり・ヤシ砂糖・酒造り

■バリ貴族(祭司・王族・軍人)は神々から生まれた。
 村は自治され、貴族にも発言権がない。


■泥棒を辱めるために引き回すのは刑務所に入れるより効果がある。
 刑務所ではただ飯を食べ、恥ずかしいとも思わないからもっと悪くなるかもしれない。


■黄泉の国を司るウィシュヌ神はいやがる母なる大地を犯し孕ませた。大地は稲を産んだ。
 その後、ウィシュヌ神は天を司るインドラ神に稲の育て方を人間に教えさせた。


■田植えとその後の世話は男だけの仕事であり、収穫の時は女も子どもも手伝う。

 男の仕事 農業・大工・屋根葺き・牛やアヒルの世話・木彫り・石彫り・絵画・もの書き
      楽器演奏・市場でのミシン仕事(男は賃仕事を嫌う)

 女の仕事 鶏や豚の世話・商売・織物・家内の仕事・レンガを運んだり石を砕く賃仕事

 子供の世話は男女とも積極的。
 宴会用の豚や亀の料理は男だけが作る。


演劇活動が男だけに限られている時代があった。(老女が踊ることはあった)


■女性が市場で売った収入の半分は女性本人のもので、
 自分の持ち物は夫に知らせないで処分できる。

 大多数の女性は経済的に独立していて、家計を助けている。
 女性の借金は女性本人のものなので夫は責任を負わない。


■台所の小さな土像はヒンズーではなくアニミズム的な火の神である。

 食事の時間は特に決まってないし、家族が一緒に食べるわけでもない。
 おやつが多い。幼児は離乳とともに辛いものに慣れる。


■バリ人は酔っぱらわない。



■性的な話題も出産の話もバリ人にとっては当たり前のこと。
 妊婦は普通の生活をし、夫は髪を切らず、出産に立ち会う。
 胎盤はココナツに入れ寝所の前に埋める。男の子は右、女の子は左。
 埋めて、祭壇を立て供物をする。
 初乳は捨てる習わし。

 出産後、夫は3日間、母子は42日間、不浄とされる。
 双子は村人にとっては災厄であり、貴族にとっては吉兆である。


■バリの一年は210日。
 1歳の誕生日に秘密の名前を付ける。
 3歳を過ぎると歳を数えなくなり、分からなくなる。
 初潮の儀式+歯を削る+お歯黒 最近は歯の儀式は減った。


■愛という抽象的概念の言葉はなく告白は「欲しい」である。
 だから失恋しても病的なほど痛手を受けることはない。


■【結婚】p151
 バリはなんでもそうだが、結婚に関する慣習も、場所によりカーストにより異なり、自由選択による結婚があるかと思えば、親が取り決めた結婚もあり、暴力による略奪結婚まである。ある村で当たり前のことなのに、別の村では耳にしたこともないというのは珍しうないし、島じゅうにあてはまるような一般法則を立てることはできない。



■バリ島の住民は第二次マレー系のバリ人。
 1527年 イスラム勢力に滅ぼさた多数のヒンドゥー教徒がバリ島に逃れ、
     強力な土侯国を形成した。
 1908年 オランダに征服される。



■【宗教】p278
 女性がイスラム教徒や中国人と結婚するとバリ人ではなくなる。
 女性は結婚することで家の神々と別れるからである。



読後メモは以上。

胎盤を埋める習慣は世界中にあるが、日本でも縄文から近世まで続いていた風習だ。
胎盤の扱いは日本だけでも埋めたり吊るしたり流したり地域差が大きい。
埋める方法も場所も多様でまさにバリの【結婚】の項にある通りだ。

参考:埋甕 ─古代の出産習俗─ 木下忠 雄山閣 考古学選書




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